M-1グランプリ2022観戦記〜決勝編
決勝戦の感想書いていきましょーう!!!
(注:完全なる個人の意見です。それをご承知の上、マジで暇でやることがない方のみお読みください)
・各コンビネタ感想
カベポスター「大声大会」 91
このネタの評判はtwitterなんかでよく聞いていたのでここで見れたのは嬉しかった。
完成度は抜群。子供の頃大声大会で優勝したことがあるという永見がその経験を語っていくというネタなのだが、出場者が叫ぶワードや浜田のツッコミフレーズ、すべてが絶妙であった。しーちきんっ…!とか。そして尻上がりに盛り上がっていき、ユリアへのプロポーズ成功のラストは思わずテレビの前で拍手してしまった。
トップバッターとして文句なし。素晴らしかった。
真空ジェシカ「シルバー人材センター」93
まずシルバー人材センターが題材のネタってなんだよ。そうしたらそんな発想に行き着くんだよ。
去年も抜群に面白かったけど、まさかもっと面白くなるとは。「六法全書の同人誌『八方全書』」「年金もらいすぎて卑屈になってる210歳」「かいみょん(死んだーソングライター)」などなど、重量級のパワーワード連発。腹筋がおかしくなるくらい笑った。
去年の急にすごい酸性雨が降って終わるとかいうディストピア的唐突オチだったのだが、今年はゾルディック家のじいちゃんみたいな実力者ジジイにガクが殺されて終わるという強烈なラスト。こっちのほうが個人的には好き。
ゾルディック家と言えば「俺じゃなきゃ見逃しちゃうね…」とかいうハンターハンターオタクしか笑わないであろうワードを全国ネットの決勝で持ってくる度胸よ。
オズワルド(敗者復活)「明晰夢」87
敗者復活オズワルド。
「今俺の夢の中だよ?」と畠中が言い張り、伊藤がどうにかして正気に戻そうとするネタ。前から知ってるネタだったけどアップデートされていた。
ただ、少しおとなしすぎたかもな…と思う。去年の「友達」は爆発力も畠中の狂気度もメーターフルテンですさまじかったのだが、それに比べると…という感じ。
今回の決勝ネタの中では一番好きかもしれない。次は何がやってくるんだというワクワク感を最後まで持続させ、しかもそれを絶妙に裏切って(勿論いい意味で)予想の少し上をいくランナーが登場し続け最後まで走り切った。
堂前の大喜利センスと兎の奇妙な愛嬌、この化学反応は一体何なんだろう。本当に凄いコンビだと思う。
さや香「免許返納」 94
もう、謎に悔しくなってしまうほど完成度が高い。たしか前回決勝に出たときはボケツッコミが逆だったはずだ。その時も面白かったけど今のスタイルのほうが圧倒的に良い。変人オーラがあるのはどちらかというと新山、常識人に見えるのは石井のほうなのに漫才では逆、その予想外さがとても良い。「最近衰えを感じる」からの「免許返納した」の流れ、超シンプルだけど死ぬほど笑った。
男性ブランコ「音符運び」93
このネタ、ほんとに好き。まず「音符運び」というファンタジックなワードからまさかあんなバイオレンスな展開になっていくとは。浦井の脳天に8分音符が突き刺さった時の衝撃が忘れられない。ていうか浦井、死ぬ演技が上手すぎる。あと浦井を殺してしまってオロオロする平井の絶妙なキモさが好き。演劇畑で出会った二人というのも納得の演技のうまさ。最高に面白かった。映画「CUBE」であったようなえぐい死に方をM-1で見れるとは。
ダイヤモンド「居酒屋」85
ダイヤモンドは大好きなコンビだが、正直今回のネタはいつものような突飛さに関して物足りなく、悪い意味で大衆向けになってしまった感が強かった。小野がツッコミ、野澤がボケと役割を明確にしたとのことだが、個人的にはむしろ以前のような「ツッコミがツッコミの体を成してない」みたいな形のほうが好き。「ラッキー○○」とか。
ヨネダ2000「餅つき」94
これはもう漫才じゃない。音楽だ。テクノだ。漫才であるわけがない。
それなのに終始爆笑してしまった。ここまで理由が説明できない爆笑は初めてかもしれない。そして彼女らが志らく師匠に刺さるという誰もが思い描いていた展開その通りになったのにも笑った。
キャッチコピー「なかよし奇想天外」がすごくよかった。「なかよし」がひらがななのがいい。
あと13回出れるのだったか。いや、恐ろしすぎ。
キュウ「全然違うもの」93
大好きなキュウをついに決勝で見れた。それだけでもう泣きそうだし、大舞台でもふたりはいつも通り面白かった。ただ、残念ながら会場と審査員の受けはイマイチだった。そのことが決勝終了後しばらく経った今も悔しくて仕方ない。
一度見ただけではハマりづらい、でもハマれば抜け出せないタイプのキュウとM-1という舞台は相性が良いとは言えない。でも準決勝では「全国弁」というネタでその日一番といっていいほどの大爆笑を起こしたらしいから、それを1本目にやってくれてたら…と思わずにはいられない。
決勝翌日の深夜に、AbemaでやっていたスピードワゴンMCの番組でぴろが語るには「『全然違うもの』と『全国弁』だと、前者の方が自分たちの好きなネタだから1本目でやりたかった。ウケが多いのは『全国弁』のほうだからそれを最終決戦でやれば優勝できると思った」とのこと。マヂカルラブリーがつり革を温存したのと同じ理論だったようだ。どんなスタイルであろうと「爪痕残す」じゃなく「優勝」を目標にしているのがとてもカッコいい。
ちなみにこの『全国弁』、同番組内で披露してくれたのだが、これがもうとんでもなく面白いネタだった。あれで爆発しないわけがない。もしかしたら今後youtubeで公開してくれるかもしれないので、皆さんその時は絶対に見てみてほしい。
ウエストランド「あるなしクイズ」94
正直に言おう。私はウエストランドが、というより井口が普通に嫌いなのだが、今回は悔しいけど認めざるを得ない。100点のパフォーマンスどころじゃない。150点くらいの調子だった。完璧すぎた。本当に腹立たしいし、本当にすごかった。ダメなところを指摘してやりたいけど、見つからなくて歯嚙みするくらいすごいネタだった。
最終決戦
ウエストランド「あるなしクイズ②」
優勝の要因があるとすれば、「10番目で3位通過で最終決戦」ということでファーストラウンドの勢いをそのまま最終決戦に持って行けたことだろう。休む間もなくあの速射砲を喰らわせるのは反則だよ、ほんとに。
完全に会場は焼け野原と化していた。
ロングコートダディ「タイムマシン」
ロコディらしいコント漫才。めちゃくちゃ良かったのだけど、焼野原になった会場を完全にひき戻すまでは行かなかったか、という印象。繰り返すが、ロコディの良さが全部出た最高のネタであることは間違いないのだ。全部井口が悪い。
さや香「男女の友情」
1本目のほうが好きかな、という感想。突っ込んでいた新山の方がだんだんおかしいことに気づく展開とかは上手くて舌を巻いたのだが、やはり井口マシンガンの幻影と幻聴をかき消すまでには至らなかった。
~全体の感想~
審査員はみんな悩んでいたようだが、正直1本目が終わった時点でウエストランド優勝だな、と私は思っていた。井口の調子が余りにもよすぎて、これをはとても覆せない、という半ば諦めに近い感情になっていた。順番の妙もあったのかもしれないけど、圧倒的であったのは間違いない。
今回、キュウやダイヤモンドのような変則的なネタをやるコンビが決勝に上がって、彼らが決勝の舞台でどのように受け入れられるのかをとても楽しみにしていたのだが、残念ながら両コンビ振るわない結果であった。1ファンとしてとても悔しい。全国の人たちに「なんだこいつら、なんでこんなのが決勝に?」とか思われるのが悔しい。うるせーーーーーー!!!(野澤ボイス)
一昨年のマヂカルラブリー、去年の錦鯉のような、こっちまで嬉しくて泣きたくなるような結果ではなかった。でも今回のウエストランドは本当に凄かった。井口アンチの自分がそう思わざるを得ないレベルだった。認めざるを得ない。
本当におめでとうございます。
あと1点、山田邦子は頼むから来年は別の人にしてくれ、と思う。
Twitter民が「山田邦子の点数抜きにしても結果同じだったんだが?w」とドヤってるのを見たが問題は採点じゃない。いや採点もひどかったけど、何よりやめてほしかったのがコメントの危うさ。「紳助さんがどうの~」とか、聞いてねえよという感じだし、感想を求められてもなんだか薄い言葉しか出てこない。オズワルドの出番とっくに終わった時になって「オズワルドがぁ~…」とか。
井口が言うところの「自称お笑い評論家」になってしまっているが、あまりにも我慢ならなかった。どうか許してほしい。