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【ライブレポート】HERE NOW ドミコ×奇妙礼太郎×bonobos

1月24日、岩手県公会堂にて開催された「HERE NOW」を見に行ってきた。

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公会堂がバンドのライブに使われるのってなかなかないのではないか。開場前、ドミコのリハの音が結構音漏れしてた。苦情とかこないといいな。

 

今回は完全ドミコ目当てで行って、奇妙礼太郎bonobosはほとんど予習せずに臨んだのだけど、結果的に良かった。「なんだ!こんなに良いミュージシャンがいたのか!!」と衝撃を受けることができたから。

つまるところ、最高のライブだったということです。以下、1組ずつ感想書きます。

 

・ドミコ

 

最高だった。ヤバかった。

 

わざわざ太字にしなければならないほどすごかった。いや、ドミコのライブがすごいってことはこれまで何度かライブを見て知ってはいたが、圧倒的に進化していた。

前回見たときはギターアンプを2台使っていたのだが、今回はそこにベースアンプが追加され、音の圧がとんでもないことになっていた。ルーパーでガンガン音を重ね、オクターバーでベースラインを弾き、バリバリのファズで音の壁を築き上げる。平衡感覚がどうにかってしまいそうなほどの爆音、最高だった。

 

MCはほぼなし。「よろしく、盛岡ぁ」「センキュー!!!!」くらい。ジャムセッションを挟みながら曲を連打。特にラストに披露した"ペーパーロールスター"の2サビ後、長尺のセッションに突入したのだがこれがカッコよかった。レッチリもかくやといった感じのロックンロールなセッションを聞かせてからの、大サビの大爆発。ずるいくらいかっこいい。

命を削っているかのような気迫で叩きまくる長谷川さんの爆裂ドラムと、奔放にファズギターかき鳴らすさかしたひかるのギターヒーローぶり。ドミコさえ居ればロックバンドが廃れることなんかないのでは?と確信を抱かせる圧倒的演奏。素晴らしすぎた!

 

そしてさかしたひかるはギターだけでなく、歌でも魅せまくっていた。獣のようなシャウトを連発。こんなに叫ぶ人だったか!?と驚いたくらい。あのカリスマオーラはいったいなんなんだろう。

 

(ちなみにさかしたひかるは岩手出身、今回初の岩手凱旋ライブのはずだからなんか一言くらいあるかな、と思ったけどありませんでした。だろうな。)

 

 

奇妙礼太郎

 

出囃子も無しにふらりとステージに現れて一礼。そしてギターをポロッと爪弾いただけで確信。これはものすごく良い演奏を聴けるぞ、と。もちろんその予想は裏切られなかった。

 

ハナレグミを彷彿とさせる優しいけど芯の通った歌声。先ほどのドミコが爆音エレキギターの正しさを教えてくれたのなら、奇妙礼太郎アコースティックギター1本でいくらでも濃密な世界を創り出せる、という事実を突きつけてきた。

 

口を開けば朴訥とした人柄で和ませる。「すごいバンドに挟まれてしまって…どうしよかな(笑)」「先日ビールを買った帰りに中学生がチューしてるのを見かけて。それを見て作った曲です」からの"尊い"という曲をやってくれたり。観客の中に小さい子供連れがいて、その子がちょくちょくキャッキャと声を上げてたのだけど、それに「わかる〜」って返事したり。

 

繊細な指弾きから荒々しいストロークまで見せてくれるギタリストぶりも最高だったし、語りかけるような歌声からホールが震えるくらいのロングトーン、ボーカリストとしての凄まじい力量も見せつけられた。才能の塊のような人だ。観れてよかったし、存在を知れてよかった。

 

ロックバンドの爆音に挟まれても全く見劣りしない、アコギだけでフルバンド編成ばりの存在感を発揮してたのは本当にすごいと思う。

ていうかこの人、40代なのか!!若々しくて全くそう見えなかった。

 

 

bonobos

 

今年の3月で解散することが決まっているのだそうだ。それなのに湿っぽさは全くなかった。すごい演奏とゆるいMC。本当に至福の時間だった。

 

メンバー自ら行うサウンドチェックからそのままライブに突入。シティポップっぽいオシャレな曲調なんだけど、ほぼ全曲ギタボの人によるファズ全開のオルタナ的ギターソロがあったり、頭混乱しそうな変拍子を叩きこなすドラムだったり、ただのオシャレミュージックに終わってないのがすごい。しかも変拍子なのに全然とっつきづらくない、ゆらゆら心地よく体を動かせる音楽に落とし込めてるのがすごい。

ベースの女性、ヘッドレスベースを弾きこなしていてめちゃくちゃかっこいい。口を開くとめっちゃ可愛い声なのも良い。サウンドチェック中、手を振った観客に対して笑顔で手を振りかえしていて、「アァ…」って声出た。美しすぎて。

 

特に良かったのが"あなたは太陽"と"ファンタスキス"という曲。"あなたは太陽"は長尺の曲なんだけど、全然ダレない。むしろもっと聞かせてくれ、と思ってしまうくらい良い曲だった。デスキャブの"Transatlanticism"みたいな。尻上がりに盛り上がっていく演奏、特にドラムソロがとんでもなくかっこよかった。私の後ろのおじさん2人組が「やべえな…」「最高っすね」って会話してて、振り返って全力で頷きまくりたかった。

 

"ファンタスキス"はMCで「化粧品のCMとか狙って書いたけど、全然売れなかった」だなんて言ってたけど、これを採用しない広告代理店とかマジ潰れた方がいいってくらい、めっちゃくちゃいい曲だった。オシャレなコード進行と「戦争なんてしてる暇ない」ってストレートな歌詞。すごくよかった。

 

唯一予習した曲"Crusin'Crusin"。これ、最高。あえて頭の悪い言葉を用いると、神曲。マジ神曲

この曲を公会堂という場所で聴けたのはたぶん、一生自慢できる気がする。観客みんなマスクしていたけど、マスク越しでもわかるくらいみんな笑顔で体を揺らしていた。ほんとに最高の空間と時間だった。

 

先述の通り、3月で解散してしまうというbonobos

まず、こんな素晴らしいバンドを今まで聴いてこなかっだ自分をボコボコにしたい。そして最高の時間を届けにこんな極北の地までやってきてくれたbonobosに感謝。

 

 

・総括

この3組の出演でチケ代4,500円ってかなり破格だと思う。盛岡在住で、音楽が好きで、このライブを観にこなかった人は一生後悔した方がいい。それくらい良い時間だった。

 

とにかく、ドミコのライブはみなさん一度は体感した方が良いです。チケ代負担してでもみんなに見せたい。ぶっ飛んでもらいたい。

 

以上。ご清読ありがとうございました。

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